(ネタバレ感想)鶴瓶主演「アメリカに負けなかった男~バカヤロー総理 吉田茂~」

今更ですが、2020年2月24日(月・休)放送の、テレビ東京開局55周年特別企画 スペシャルドラマ「アメリカに負けなかった男~バカヤロー総理 吉田茂~」を鑑賞しました。

私は、明治維新や戦中戦後の近代史に関する本を読んでいた時期があって、サンフランシスコ講和条約の同じ日に日米安保条約に調印した吉田茂にあまりいい印象がありませんでした。不平等条約を結ばされた、アメリカに負けた男という印象です。しかし、タイトルは「アメリカに負けなかった男」。これまでの印象と違う人物像のようです。

GHQの占領政策の一環か、学校で近代史はあまり学びませんが、吉田は駐英大使として日独伊三国同盟に反対。大東亜戦争開戦阻止を目指し、戦中は戦争終結提案を書いたことで投獄。1945年67歳で外務大臣。

そして、白洲次郎。恥ずかしながら学校で近代史を学ばなかったせいか、名前は聞いたことあるような気がするけど、よく知らなかった人。この男も、吉田茂に負けず劣らずアメリカに負けなかった男です。

GHQ:日本の軍人たちは何故かくも愚かな戦争を始めたのか。
パール判事の日本無罪論を読んだ私は、こう思います。ハル・ノートを突き付けられたら、戦わず負けるか、戦って負けるかしかない!戦わずに降伏していたら今の日本はあったでしょうか。

白洲は、GHQに向かって、敗戦国の人間とは思えない立派なことを言います。

 白洲:日本をアメリカの実験台にはさせん!
 GHQ:日本だって?ここはアメリカだ。
 白洲:断じて違う ここは日本だ。
 植民地支配と保護貿易が世界大戦を生んだのだ。反省したまえ。

日本国憲法案を突き付けられるシーンもなかなかの見物です。
 GHQ:15分与える。この場で読んでください。

 The emperor shall be the symbol of the State.

頭の中が大日本帝国憲法の人が、いきなりこんな草案を渡されたら、たまげますね。激怒する白洲に、吉田は、大事なのは中身だ、国体は護持されるといさめます。

日本自由党の鳩山総裁の公職追放に伴って、吉田が後任の総裁を受諾。この辺りから、令和の現代に続く政治家の一族となる吉田学校の面々が登場し、現在の体制が戦後から続いている体制の続きだという実感が湧きます。田中角栄、池田勇人、佐藤栄作、宮沢喜一…麻生太郎が吉田茂の孫というのも、ドラマで見ると、吉田の娘の長男だから苗字が違うというのが自然に理解できます。それにしてもこの人たち、戦前から大金持ちだったのですね。

共産主義がアジアに勢力を延ばして来たとき、彼らは対応を考えます。
 日本は講話を結び まず独立する。 その上で 米軍駐留を依頼する

よく考えました。物事の優先順位を考え、最重要課題から解決していく姿勢は学びたいものです。GHQの頭越しにワシントンに話に行く行動力もまたすごい(語彙力)

講和の話が進み、麻生太郎が子供らしいことを言います。
 太郎:おじいちゃま。ママをいつ返してくれるの?
 吉田:おじいちゃんはな
    サンフランシスコから帰ってきたら
    総理大臣を辞める。
    そしたら太郎たちにママを返す。
 太郎:ほんと?
 吉田:ほんとだ。そしたら一緒に動物園や落語に行こう。
 太郎:やったあ。

ここは、ぐっと来ましたが、会話はフィクションでしょうか?麻生内閣府特命担当大臣(金融担当)がこんなこと言うと想像できます(笑)?

彼らは、奄美大島、琉球諸島、小笠原群島、の返還要求を受託演説に書き加えました。アメリカに負けてない。戦争が終わって何年か経てば、勝戦国が勝手にそろそろ島を返そうかと思ってくれる訳ではないですね。領土を取り戻すには、外交の努力、勇気、粘り強い交渉が必要なのが伝わってくるエピソードです。教科書で読む歴史は、人間の泥臭い営みが伝わってきません。これも、GHQ の WGIP(ウォーギルトインフォメーションプログラム)の一環でしょうか。

サンフランシスコ講和条約受諾演説
 ここに提示された平和条約は
 懲罰的な条項や
 報復的な条項を含まず
 我が国民に恒久的な制限を課することもなく
 日本に完全な主権と平等と自由とを回復し
 日本を自由かつ平等の一員として
 国際社会へ迎えるものであります
理想をうたった立派な講和条約なのでしょう。胸を打つ演説です。
一方、それとセットなのが、同じ日に締結された日米安全保障条約なわけです。
吉田は、調印に同行するという白洲の申し出を断り、すべての責任を背負う覚悟で一人で調印に向かいます。こうやってドラマで見ると、武力を放棄した敗戦国が講和を結ぶのは、理想やきれいごとだけでは済まない大仕事だと感じられます。吉田は、サンフランシスコから帰ると、太郎との約束を破り、まだやることがあると総理大臣を続けます。

エンディング
沖縄本島を映しながら、
 あと三千年、いや四千年生きたい
 日本の行き先を見守りたい

他国の基地がない真の独立国家になるには四千年かかると思っていたのでしょうか。

ラスト、米軍基地の看板。ナレーションでは触れませんが、ここに日本の置かれる立場が象徴されています。
 US MARINE CORPS FACILITY
 米軍海兵隊施設
 UNAUTHORIZED ENTRY PROHIBITED
 AND PUNISHABLE BY JAPANESE LAW
 無断で立入ることはできません
 違反者は日本国の法律に依って罰せられる

看板に書いていることは事実とは違うようです。米軍の施設内は我が国の法律は通じません。日米地位協定にもとづき米国なのです。

このドラマは史実に基づいたフィクションです

【出演者】笑福亭鶴瓶 生田斗真 新木優子 矢本悠馬 前野朋哉 安田顕 勝地涼 佐々木蔵之介 松嶋菜々子

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本ページの情報は2020年12月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにて
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